この記事でわかること
- 採用動画でのAI活用は3タイプに分かれ、向く用途が違うこと
- タイプ別の費用相場と、外注/内製の判断軸
- 構成台本の書き方と、そのまま使えるプロンプト
- 社員が出られない会社での見せ方
- 公開前に必ず確認する5項目(実態との一致、出演同意、権利処理)

費用相場をどう見るか.
採用動画の費用は、従来型の外注であれば1本あたり数十万円台が目安とされてきました。AIを使う場合、この構造が二極化します。
- ツール内製:AIアバターや動画生成ツールのサブスクリプション費用のみ。月額数千円〜数万円の水準から始められます
- AI前提の外注:企画・台本・監修が入る形。従来より下がるものの、設計工数は残ります
注意すべきは、安いのは制作工程だけという点です。誰に何を伝えるかの設計、原稿の事実確認、社内の合意形成。ここは人がやる以上、時間がかかります。「AIで99%削減」といった数字は、制作工程だけを切り出したものだと理解しておいてください。
| タイプ | 費用の目安 | 制作期間の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ツールで内製(アバター型) | 月額のツール費用のみ | 数日 | 制度説明、選考フロー案内、社内向け |
| AI前提で外注(素材生成型) | 十数万円〜数十万円 | 1〜3週間 | 会社紹介、事業紹介、抽象度の高い訴求 |
| ハイブリッド(実写+AI) | 数十万円〜 | 2〜6週間 | 社員インタビュー、1日密着、主力の採用動画 |
| 従来型の実写制作 | 数十万円〜百数十万円 | 1〜3か月 | ブランドムービー、大型キャンペーン |
相場の数字は各社の公表価格をもとにした目安です。実際の見積もりは、撮影日数、出演者数、多言語対応の有無、修正回数の上限で大きく変わります。比較するときは「修正は何回まで含まれるか」を必ず揃えてください。
制作手順|台本を先に固める.

構成台本は「章立て」から書く
いきなりナレーション原稿を書くと、情報を詰め込みすぎて長くなります。先に章立てと各章の狙いを決め、尺を配分してから原稿を書いてください。3分の動画であれば、次のような構成が扱いやすい形です。
- 冒頭15秒:誰に向けた動画かを明示する(「〇〇職を志望する方へ」)
- 60秒:事業の説明を、応募者にとっての意味に翻訳して伝える
- 60秒:働き方の実像(1日の流れ、チーム構成、任される仕事の範囲)
- 30秒:選考フローと応募方法
- 末尾15秒:応募への一言
あなたは採用動画の構成作家です。以下の条件で、3分の採用動画の構成台本を作ってください。 【会社の情報】 ・事業内容:(自社の説明を3行で) ・募集職種:(職種名) ・ターゲット:(例:業界未経験の20代中途) ・伝えたいこと:(3つまで) ・伝えたくないこと/触れてほしくない点:(あれば) 【出力形式】 1. 章立て(章タイトル/秒数/その章の狙い) 2. 各章のナレーション原稿(話し言葉、1文は40字以内) 3. 各章で必要な映像素材(実写で撮るもの/AIで生成できるもの に分けて) 【制約】 ・誇張表現、断定的な将来予測、他社との比較は書かない ・労働条件に関する記述は「※詳細は募集要項をご確認ください」を添える
社員が出られない会社の見せ方.
採用動画でいちばん多い制約が「社員が顔出しできない」です。個人情報の懸念、異動の可能性、単純に嫌がられる。ここでAIが効きます。
- 手元・後ろ姿・シルエット+AI音声:本人の声を使わず、原稿をAI音声で読む。内容は本人の言葉のまま残せます
- イラスト/アバター化:インタビュー内容をアバターに話させる。トーンは軽くなりますが、心理的ハードルは大きく下がります
- テキスト+モーショングラフィックス:顔を出さずに情報量を確保する王道。生成AIで背景素材を量産すると成立しやすくなります
いずれの場合も、AIを使った箇所を説明できる状態にしておいてください。応募者から質問されたときに答えられないと、それ自体が不信になります。


採用動画は「広告」であると同時に、応募者にとっては「労働条件の説明」でもあります。
映像内で語られる残業時間、休日、配属、転勤の可能性が実態と違えば、入社後の早期離職に直結します。そして早期離職は、採用コストの中でもっとも高くつく失敗です。
公開前には、人事・法務・広報の3者で確認してください。制作側だけで判断すると、「よく見せる」方向に寄ります。
1本につきターゲットを1つに絞る
新卒と中途、総合職と技能職を1本にまとめると、どちらにも刺さらなくなります。AIで量産できるのだから、分けたほうが効きます。
台本を人が書き、AIには膨らませてもらう
章立てと狙いは人が決め、原稿の言い回しやバリエーションをAIに出させる。この順序だと事故が減ります。
実写とAIの切り分けを先に決める
「人の表情」だけは実写、それ以外はAI。この基準にすると、判断が早く、成果も安定します。
多言語版を同じ台本から作る
AIアバター型の最大の利点です。海外採用や技能実習の説明では、ここが決定的な差になります。
公開後に応募データと突き合わせる
再生完了率だけでなく、動画経由の応募者の選考通過率まで見ます。「見られた」と「効いた」は別です。
よくある質問.
QAIアバターだけで採用動画を作っても効果はありますか?
Q社員のインタビュー音声をAIで作り直してもいいですか?
QAI生成であることを動画内に表示すべきですか?
QBGMやフォントの権利はどうなりますか?
Qどのくらいの尺がよいですか?
まとめ|速くなるのは制作、速くならないのは設計.
- 活用はアバター型・素材生成型・ハイブリッド型の3タイプ。主力にはハイブリッド型
- 費用は制作工程だけが安くなる。設計・事実確認・社内合意の工数は残る
- 章立てと狙いを人が決め、原稿の膨らませをAIに任せる順序にする
- 顔出しできないならAI音声・アバター・モーショングラフィックスで代替できる
- 公開前は人事・法務・広報の3者で、実態との一致を確認する
※ 本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の案件については弁護士等の専門家にご確認ください。記載は2026年9月時点の情報です。
採用動画の構成設計から、AIを使った多言語展開までご相談いただけます.



