SAC(Smart AI Collective)編集部READ 5 MIN2026.10.01

この記事の要約

一貫性のあるキャラをAIで作る手順。設定書の書き方から、表情差分・衣装違いを量産する方法までまとめます。

生成AIでキャラクターを作ろうとして、最初につまずくのは「同じ顔が出てこない」ことです。1枚だけなら簡単に作れるのに、表情違いや衣装違いを作ろうとすると別人になる。この問題は、ツールの性能ではなく手順で解決できます。この記事では、設定書の書き方から差分の量産までを、実務のワークフローとして整理します。
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この記事でわかること

  • AIキャラクター制作の5工程と、飛ばしてはいけない工程
  • 設定書の書き方(造形の特徴は5つまでに絞る理由)
  • 同じ顔にならないときの6つの対処法
  • 表情差分・衣装違いを量産するときの命名とプロンプト管理
  • 公開前に確認する権利面のポイント
5工程。つまずく原因のほとんどは工程1を飛ばしていること
5工程。つまずく原因のほとんどは工程1を飛ばしていること

工程1|設定書を人が書く.

いきなりプロンプトを書き始めると、出てきた絵に引きずられて設定が後づけになります。結果として、何を基準に選べばいいのか分からなくなるのが典型的な失敗です。

先に書くのは次の4つです。

  • 役割:何のために存在するキャラクターか(商品の説明役/世界観の象徴/案内役)
  • 性格と話し方:運用フェーズで文章を書くときの基準になります
  • 造形の特徴(5つまで):髪型、目の形、肌の色、服の記号、体型。増やすほど再現性が落ちます
  • NGな見え方:幼く見えすぎる、特定の作品に似る、性的に見える。避けたい方向を先に書く

造形の特徴を5つに絞るのは、生成AIの性質上、指定が増えるほど個々の指定が薄まるためです。10個書けば、毎回どれかが落ちます。

設定書からプロンプトを作る型
【確定プロンプト|毎回そのまま使う部分】
架空の人物。20代前半に見える女性。
髪:黒のショートボブ、右側だけ耳にかける。
目:やや吊り目、濃いグレー。
服:白のスタンドカラーシャツに、黄緑のラインが1本入った紺のジャケット。
画風:太めの主線、影は2階調、彩度低め、背景は単色。

【差分プロンプト|ここだけ差し替える】
表情:(笑顔/困り顔/真顔/驚き)
ポーズ:(正面立ち/手を上げる/腕組み)
構図:(バストアップ/全身/顔アップ)
確定部分は一文字も変えないのがコツです。言い回しを少し変えるだけで顔が変わります。差分だけを差し替える運用にすると、同一性が保たれます。

工程2〜3|初期案を量産し、1案に絞る.

設定書ができたら、方向性の当たりをつけるために初期案を20〜50案ほど出します。ここでは細部を詰めず、シルエットと記号だけを見ます。

絞り込むときの基準は、好みではなく用途です。

  • 小さいサイズ(SNSのアイコン、バナーの隅)でも識別できるか
  • 表情を変えたときに、同じ人物に見えそうか
  • 既存の有名キャラクターを連想させないか
  • 自社のブランドカラーと喧嘩しないか

選んだら、その案のどこが良かったのかを言語化してください。ここを言葉にしておかないと、差分を量産したときに「なんか違う」が説明できません。

工程4|同一性を固定する.

同じ顔にならないときの対処。原因はほぼ手順にある
同じ顔にならないときの対処。原因はほぼ手順にある

三面図を先に作る

正面・横・斜めの3方向を確定させておくと、以降の生成が安定します。とくに横顔は、あとから生成すると別人になりやすい部分です。三面図の段階で人が手を加えて整えておくと、参照画像としての精度が上がります。

配色を数値で決める

髪・肌・服・アクセントの色を、カラーコードで決めておきます。生成物は毎回わずかに色が転ぶため、仕上げ工程で数値に合わせる運用にすると、並べたときの違和感がなくなります。

工程AIに任せる人がやるつまずきやすい点
設定書たたき台の言語化役割・性格・造形の決定設定を書かずに生成から始める
初期案20〜50案の生成選定基準の設定と絞り込み好みだけで選んでしまう
三面図各方向の生成線と配色の整え横顔を作らずに進む
差分量産表情・ポーズ・衣装確定プロンプトの管理毎回プロンプトを書き直す
仕上げ—色の数値合わせ、トリミング生成そのままで納品する
運用文章・投稿の下書き口調ルールの管理話し方がブレて別人になる
01

素材の命名規則を先に決める

「キャラ名_表情_ポーズ_構図_連番」。あとから決めると、数百枚になった時点で管理不能になります。

02

確定プロンプトをドキュメント化する

テキストファイルで管理し、誰が作業しても同じ結果になる状態にします。担当者の頭の中に置かないことが重要です。

03

運用ガイドラインを作る

使ってよい表情、使ってはいけない構図、口調のルール。量産できるからこそ、ブレを止める基準が要ります。

04

権利面を確認する

既存キャラクターに似ていないか、名称の商標は空いているか。公開前に必ず通す工程にします。

05

素材を定期的に棚卸しする

使われていない差分、古い画風の素材を整理します。放置すると、どれが最新か分からなくなります。

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キャラクターの「同一性」は、絵だけでは保てません。話し方、語尾、使う絵文字、投稿する時間帯。運用ルールまで含めて設計して、初めて同じキャラクターとして認識されます。

AIキャラクター制作のチェックリスト

Checklist
  • 設定書(役割・性格・造形5点・NG)を先に作成した
  • 確定プロンプトと差分プロンプトを分けて管理している
  • 三面図を作り、参照画像として固定している
  • 配色をカラーコードで定義し、仕上げで合わせている
  • 小さいサイズでも識別できることを確認した
  • 既存の有名キャラクターに似ていないか第三者が確認した
  • 名称・ロゴについて商標検索を行った
  • 運用ガイドライン(口調・NG表現)を用意した

よくある質問.

Qどうしても同じ顔になりません。何が原因ですか?
A多くの場合、原因は3つのどれかです。参照画像を使わず文章だけで指定している、確定プロンプトの言い回しを毎回変えている、途中でモデルや出力サイズを変えている。まず参照画像を固定し、確定プロンプトを一文字も変えない運用にしてみてください。
Q造形の特徴は多く書いたほうが再現性が上がりませんか?
A逆です。指定が増えるほど個々の指定が薄まり、毎回どれかが落ちます。5つ程度に絞り、その5つを確実に再現させるほうが、結果として同一性が保たれます。
Qキャラクターの著作権は自社のものになりますか?
AAIが自動生成しただけの表現は、原則として著作物にあたらないと整理されています。設定書の作成、選択、加工といった人の関与の記録を残したうえで、名称・ロゴの商標登録や、制作委託契約での取り決めを組み合わせて守るのが実務的です。
Q既存キャラクターに似ていないかは、どう確認すればよいですか?
A逆画像検索と画像検索で、造形が近いものがないかを確認します。加えて、制作に関わっていない社員に「何かに似ていると思うか」を聞くのが有効です。制作者は見慣れているため、類似に気づきにくくなります。
QVTuberのように動かす場合、追加で必要なことはありますか?
Aパーツ分けされたデータ(目・口・髪・体)が必要になるため、最初から分離できる形で作っておくと後工程が楽になります。また、声を使う場合は、ビジュアルとは別に音声の権利処理が必要です。

まとめ|同一性は手順で作る.

  • 工程は設定書 → 初期案 → 絞り込み → 同一性の固定 → 差分量産の5つ
  • 造形の特徴は5つまで。増やすほど再現性が落ちる
  • 確定プロンプトは一文字も変えない。差分だけ差し替える
  • 三面図と配色コードを先に固めると、以降の生成が安定する
  • 絵だけでなく口調と運用ルールまで決めて、初めて同じキャラクターになる

※ 本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の案件については弁護士等の専門家にご確認ください。記載は2026年9月時点の情報です。

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