この記事でわかること
- AI商品画像の4つの作り方(背景の置き換え/シーン合成/モデル着用/商品ごと生成)
- 背景生成とシーン合成の手順と、そのまま使えるプロンプトの型
- 色・形・サイズ感を実物どおりに保つための確認方法
- Google・Amazon・楽天市場の画像ルールと、AI画像についての記載
- 景品表示法の観点で、AIで触ってよい範囲と避けるべき加工
AI商品画像の基本は「商品は実物の写真、AIは周辺だけ」です。背景の置き換えから始め、シーン合成やモデル着用に広げる場合も、色・形・付属品は実物と並べて確認する。販売チャネルの画像ルールとAI画像のメタデータの扱いを出品前に確認すれば、量産しても止まりにくくなります。
AIで作る商品画像の4つの方法.
「AIで商品画像を作る」といっても、どこまでAIに任せるかで方法は大きく4つに分かれます。右に行くほど表現の自由度は上がりますが、実物との差が出るリスクも上がります。

実際にEC事業者がどのようにAIを使っているかは、EC商品画像のAI活用事例の記事で紹介しています。本記事では、それぞれの作り方を順に解説します。
方法1|背景を生成・置き換える.
もっとも取り組みやすいのが、実物の写真を切り抜いて、背景だけを替える方法です。商品そのものには手を加えないため、表示上のリスクを小さく保てます。
使える機能の例
- Shopify:ファイルエディターの「メディア生成」で、背景を単色・透過に置き換えたり、プロンプトで背景や照明を変えたりできると案内しています。生成画像には目に見えない透かし(メタデータ)が入り、商用利用は制限されないと説明しています(Shopifyヘルプセンター)
- Amazon Ads:広告用のAI画像生成を無料で提供しており、商品(ASIN:Amazonの商品識別番号)を選ぶと商品画像をもとに画像を生成し、季節やライフスタイルのテーマで調整できると案内しています。日本でも利用できます(Amazon Ads 公式ガイド)
- Adobe Firefly:画像の一部を生成で描き替える「生成塗りつぶし」などの機能が案内されています。有料プランは月額1,580円(税込)から用意されています(Adobe Firefly プランと価格)。使い方はAdobe Fireflyの使い方の記事で解説しています
撮影する
商品を、色が正しく出る光で撮影します。白い背景で撮ると切り抜きの精度が上がります。色見本(カラーチャート)を同じ条件で1枚撮っておくと、後で色を合わせやすくなります。
切り抜く
背景除去の機能で商品を切り抜き、透明背景のPNGで保存します。縁の残りや欠けを拡大して確認します。
背景を作る
白・単色の背景か、生成した背景を用意します。メイン画像はモールの規定に合わせ、生成背景はサブ画像や広告に使います。
影を付けてなじませる
接地面の影や映り込みを付けると、合成した感じが減ります。影の向きは背景の光と合わせます。
実物と照合する
完成画像を実物と並べ、色・形・付属品が変わっていないかを確認します。
入力:切り抜いた商品画像(商品そのものは一切変更しない) 背景:明るい木目のダイニングテーブル、朝の自然光、奥はぼかす 配置:商品は画面中央やや下、テーブルに置いた状態、接地面に自然な影 光:左上からのやわらかい光。商品の色が変わらない白色光 構図:正方形1:1、商品が画面の6〜7割程度 除外:他の商品、文字、ロゴ、人物の手、商品の形や色の変更
方法2・3|シーン合成とモデル着用.
シーン合成:サイズ感に注意する
リビング、オフィス、アウトドアなど、商品を使う場面の背景を生成し、実物の写真を合成します。雰囲気が伝わりやすい一方で、周りの家具や小物との比率で商品が実際より大きく・小さく見えることがあります。サイズが購入判断に関わる商品では、寸法の表記や比較しやすい画像を別に用意してください。
モデル着用:色・柄・丈が変わりやすい
アパレルや小物では、AIで生成した人物に実物の商品を合成する方法があります。画像編集AIで「この服を着せる」機能を使う場合、出力の色・柄の向き・ボタンの数・丈が実物と変わることがよくあります。生成後に実物の写真と並べて、1点ずつ確認してください。AIモデルを起用した広告の事例はAIモデルの広告事例の記事でまとめています。
入力1:モデル画像(確定した人物。顔・髪型・体型は変えない) 入力2:商品画像(実物のトップスを平置きで撮影したもの) 指示:入力1の人物に、入力2のトップスを着せてください。 守ること:トップスの色、柄の向き、ボタンの数、袖と着丈の長さ、ロゴの位置は入力2のとおり ポーズ:正面、自然に立つ、両腕は体の横 背景:無地のライトグレー 除外:アクセサリーの追加、他の服の柄、文字
画像の役割ごとに、AIの使い方を決める.
商品ページの画像は、1枚ごとに役割が違います。役割によって、AIで触ってよい範囲も変わります。制作を始める前に、画像の枠ごとに「何を見せる画像か」「AIをどこまで使うか」を決めておくと、担当者が変わっても判断がぶれません。
| 画像の枠 | 見せること | AIの使い方の目安 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| メイン画像(1枚目) | 商品そのものの正確な姿 | 背景を白・単色にする程度にとどめる | モールの規定(背景・文字・枠)を最優先する |
| サブ画像(詳細) | 素材感、ディテール、付属品 | 基本は使わない。写真の色補正まで | 拡大したときに実物と違うと、クレームにつながりやすい |
| サブ画像(利用シーン) | 使う場面、暮らしのイメージ | 生成背景とのシーン合成 | 周りの物との比率で、サイズ感を誤認させない |
| 着用・使用イメージ | 身に着けたときの印象 | AIモデルへの合成 | 色・柄・丈を実物と照合する |
| 広告・バナー | 季節感、キャンペーンの訴求 | 背景生成、テーマ違いの量産 | 価格や効果の文言は、別途表示ルールで確認する |
上の表は編集部の目安です。商品カテゴリによっては、さらに厳しく運用したほうがよい場合もあります。たとえば食品や化粧品では、色味や質感が購入判断に直結するため、利用シーンの画像でも商品部分の色補正は最小限にとどめるのが安全です。
季節やキャンペーンの差し替えを効率化する
AIが最も時間を減らしやすいのは、同じ商品で背景だけを替えた画像を何パターンも用意する作業です。切り抜いた商品画像を1枚用意しておけば、春夏・秋冬、セール、ギフト向けといった背景違いを短時間で作れます。ただし、量産するほど確認の手間も増えます。チェックリストを使って、1枚ずつ確認する時間を工程に組み込んでおいてください。
入力:切り抜いた商品画像(全パターン共通。商品は一切変更しない) 共通条件:正方形1:1、商品は画面中央、接地面に自然な影、白色光で商品の色を変えない パターン1:春。明るい窓辺、淡い緑の観葉植物を奥にぼかして配置 パターン2:夏。白い石の台、強めの日差しと短い影 パターン3:秋。木のテーブル、奥に落ち着いた色の布 パターン4:冬。グレーのニット素材の上、やわらかい室内光 除外(全パターン):他の商品、文字、ロゴ、人物
色・形の正確さを守る.
商品画像で最も大切なのは、届いた商品と画像の印象が一致することです。購入判断に使われる商品情報を、AIで実物と違って見せないようにします。

確認の手順
- 色:カラーチャートを撮影した写真と、完成画像の色を比べる。モニターの色設定もそろえておく
- 形とディテール:ロゴ、縫い目、ボタン、文字、付属品の数を、実物と1つずつ照合する
- サイズ感:シーン合成では、周りの物との比率が不自然でないかを確認する
- 状態:中古品などでは、傷や汚れをAIで消して実物より良く見せない
- 第三者の目:制作者以外の人が、実物を見たうえで確認する
商品やサービスの品質を実際より著しく優れていると示す表示は、景品表示法の優良誤認として禁止されています(消費者庁「優良誤認とは」)。AIで作ったかどうかに関係なく、画像が与える印象が実物と違えば問題になりえます。
色・形の照合チェックリスト
Checklist- カラーチャートと比べて、商品の色がずれていない
- ロゴ・文字・柄の向きが実物どおり
- ボタン・ポケット・付属品の数が実物どおり
- シーン合成で、商品が実際より大きく・小さく見えていない
- 傷・汚れ・使用感を、実物より良く見せていない
- 生成背景に他社の商品やロゴが写り込んでいない
- 使ったツール・プロンプト・元画像を記録した
販売チャネルの画像ルールとAI画像の扱い.
モールや広告媒体には、それぞれ商品画像のルールがあります。AIで作った画像も、これらのルールを満たす必要があります。2026年10月時点で編集部が確認できた範囲をまとめます。

Google(Merchant Center)
2027年1月31日から、すべての商品に500×500px以上の要件が適用されると告知されています。推奨は1,500×1,500px以上で、商品が画像の75〜90%程度を占めるようにするとしています。販促テキスト、透かし、後から加えたロゴ、枠などは使えません。生成AIで作った画像には、AI生成であることを示すメタデータ(IPTC〔写真メタデータの国際規格を定める団体〕の「DigitalSourceType」など)を含め、削除しないよう求めています(Merchant Center ヘルプ「画像の要件」/AI生成画像のメタデータ)。画像編集ソフトで書き出すときにメタデータが消えないか、確認が必要です。
Amazon
出品用の商品画像の要件は、セラーセントラルのヘルプ「商品画像の要件」で案内されています。ヘルプはログインが必要なため、本記事では具体的な数値を掲載していません。出品前に最新の要件を確認してください。出品画像としてAI生成画像を使うことについての公式な記載は、編集部では確認できませんでした。広告用には、前述のAmazon AdsのAI画像生成が提供されています。
楽天市場
楽天市場は2018年に「商品画像登録ガイドライン」を改訂し、第1商品画像について、テキスト要素の占有率20%以下、枠線なし、背景は写真背景か単色白、という基準を設けたと報じられています。違反は店舗の違反点数の対象になるとされています(ネットショップ担当者フォーラム(2018年8月8日))。現行のガイドラインは出店者向けの管理画面(RMS)で確認してください。AI画像についての記載は、編集部では確認できていません。
来歴情報(C2PA)も意識する
C2PAは、デジタルコンテンツの出所や編集履歴を記録・確認するためのオープンな技術標準です(C2PA公式)。Googleのようにメタデータの保持を求めるチャネルもあるため、AIで作った画像のメタデータは、むやみに削除しない運用にしておくと安心です。
ここで紹介したルールは、確認できた範囲の抜粋です。Yahoo!ショッピングなど他のモールや、自社ECのテンプレートにも独自の画像規定があります。チャネルごとの規定を1枚の表にまとめ、制作の前に見られるようにしておくと、作り直しを減らせます。
よくある質問.
Q商品そのものをAIで生成して、販売ページに使ってもよいですか?
QAIで作った商品画像だと表示する必要はありますか?
Q背景を生成すると、商品の色まで変わってしまいます。
Q無料のツールで作った画像を、商品ページに使っても大丈夫ですか?
QAIで加工した画像のメタデータは、残しておくべきですか?
Q撮影は不要になりますか?
まとめ|商品は実物、AIは周辺.
- AI商品画像は背景の置き換え→シーン合成→モデル着用の順に広げる。商品ごとの生成は販売画像に使わない
- プロンプトでは「商品は変更しない」を毎回明記し、色が変わらない光を指定する
- 完成画像は実物・カラーチャートと照合し、制作者以外も確認する
- チャネルごとの画像ルールとAI画像のメタデータの扱いを出品前に確認する
- 画像の印象が実物と違えば、AIかどうかに関係なく優良誤認のおそれがある
※ 本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の案件については弁護士等の専門家にご確認ください。記載は2026年10月時点の情報です。
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