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生成AIの利用規約の注意点|主要6サービスの確認ポイント

2026.11.03
SAC(Smart AI Collective)編集部READ 12 MIN2026.11.03

この記事の要約

規約で読むべき箇所を商用利用・権利・学習利用・補償など7項目で整理し、ChatGPT・Claude・Geminiなど主要6サービスを比較します。

生成AIを業務で使うとき、利用規約を最後まで読んでいる人は多くありません。しかし、作ったバナーを広告に使ってよいか、入力したクライアント資料が学習に使われないか、トラブルが起きたら誰が責任を負うのか。こうした実務の疑問への答えは、ほとんどが規約に書かれています。本記事では、規約で確認すべき7つの項目を整理したうえで、ChatGPT、Claude、Gemini、Midjourney、Adobe Firefly、Stable Diffusion系の6サービスについて、2026年10月時点の公式の規約・ヘルプで確認できた内容を比較します。
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この記事でわかること

  • 利用規約で確認すべき7項目と、読む順番
  • 主要6サービスの商用利用・出力の権利・学習利用の違い
  • 個人向けプランと法人向けプランで条件がどう変わるか
  • 禁止用途・年齢・補償・規約変更で見落としやすい点
  • 規約の確認結果を社内で管理する方法
結論

生成AIの規約は、同じサービスでも個人向けと法人向けで大きく違い、毎年のように改定されています。「このツールは商用OK」と覚えるのではなく、「どのプランで、何を入力し、何に使うか」を決めてから、7項目を公式の最新版で確認し、確認日とともに記録しておくのが確実です。

利用規約で確認すべき7項目.

生成AIの規約は長く、英語の原文が正本になっているものもあります。全文を頭から読むより、実務に効く7項目の場所を先に探すほうが、短時間で要点をつかめます。

規約変更の扱いは見落とされやすい。契約時の版と確認日を必ず記録する
規約変更の扱いは見落とされやすい。契約時の版と確認日を必ず記録する

読む順番としては、①商用利用の条件 → ②出力の権利 → ③入力データの学習利用を先に確認し、使ってよいかどうかの見通しを立ててから、④禁止用途、⑤年齢・地域、⑥補償・免責、⑦規約変更へ進むのがおすすめです。

なお、規約とは別に「利用ポリシー」「ガイドライン」「プライバシーポリシー」が用意されていて、規約がそれらを参照していることがよくあります。学習利用の詳細はプライバシーポリシーやヘルプに、禁止用途の詳細は利用ポリシーに書かれていることが多いため、規約から参照されている文書もあわせて確認してください。

主要6サービスの比較表.

まず全体像です。表は主に個人向けの規約をもとにしています。法人向けプランの条件は後の章で補足します。公式情報で確認しきれなかった項目は「要確認」としています。

個人向け規約の比較。法人向けプランでは学習利用や補償の条件が変わるものが多い
個人向け規約の比較。法人向けプランでは学習利用や補償の条件が変わるものが多い
サービス確認した規約(発効・更新日)出力の権利・商用利用入力データの学習利用
ChatGPT(OpenAI)<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://openai.com/ja-JP/policies/row-terms-of-use/">利用規約</a>(2026年1月1日発効)法令の範囲でユーザーがアウトプットを所有。同様の出力が他のユーザーにも生じうると明記サービスの開発・改善に使用しうる。学習への使用停止(オプトアウト)を要求できる。Business・Enterprise・Edu・APIは既定で学習に使用しない(<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://openai.com/ja-JP/enterprise-privacy/">公式</a>)
Claude(Anthropic)<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://www.anthropic.com/legal/consumer-terms">Consumer Terms</a>(2025年10月8日発効)Anthropicが持つ権利(あれば)をユーザーに譲渡。これは個人向け規約の内容で、業務での利用は商用規約(Team・Enterprise・API)を前提に確認する。個人向け規約は、評価目的の利用は個人的・非商用に限ると記載アカウント設定でオプトアウトしない限り学習に使用。フィードバックや安全審査の対象は例外。商用規約の対象は学習しない(<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://www.anthropic.com/legal/commercial-terms">Commercial Terms</a>)
Gemini(Google)<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://policies.google.com/terms?hl=ja">Google利用規約</a>(2026年7月30日発効)ユーザーが生成したコンテンツについてGoogleは所有権を主張しない。規約上、商用利用を制限する記載は見当たらない(生成AI使用禁止ポリシーの範囲内)アクティビティ保存がオンだと改善に使用し、人がレビューすることがある。オフや一時チャットは学習に使わない(<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://support.google.com/gemini/answer/13594961?hl=ja">プライバシーハブ</a>)
Midjourney<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://docs.midjourney.com/hc/en-us/articles/32083055291277-Terms-of-Service">Terms of Service</a>(2026年5月27日発効。編集部確認時点で、その後改定の可能性あり)作成したアセットをユーザーが所有。ただし年商100万米ドル超の企業(とその従業員)はPro・Megaプランが必要入力とアセットについてMidjourneyに広い利用許諾を与える。既定での公開・リミックスの扱いと学習利用の詳細は要確認
Adobe Firefly<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html">Firefly製品ページ</a>・<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://www.adobe.com/cc-shared/assets/pdf/enterprise/firefly-legal-faqs-enterprise-customers-2024-06-11.pdf">法人向けFAQ</a>(確認日:2026年10月)。<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://www.adobe.com/jp/legal/licenses-terms/adobe-gen-ai-user-guidelines.html">生成AIユーザーガイドライン</a>(2026年5月15日更新)は禁止用途が中心で、商用利用・学習利用の記載はないアドビ独自のモデルは商用利用に適すると説明(製品ページ)。Adobeは出力の権利を主張しない旨を説明(法人向けFAQ)。パートナーモデルの条件は要確認Creative Cloudの個人コンテンツをFireflyのモデルやパートナーモデルの学習に使わないと説明(製品ページ)
Stable Diffusion系(Stability AI)<a target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow" href="https://stability.ai/license">Stability AI License</a>(確認日:2026年10月)出力はユーザーが所有。年商100万米ドル未満は無償で商用利用可、超える場合はEnterprise Licenseが必要自社環境で動かすか、提供サービス経由かで変わる(要確認)
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Stable Diffusion系は、Stability AIが公開するモデルを自社で動かす場合と、他社のサービスに組み込まれたものを使う場合で、適用される規約が変わります。他社サービス経由で使う場合は、そのサービスの規約も確認してください。

商用利用と出力の権利|「OK」の中身を確かめる.

比較表を見ると、多くのサービスが「出力はユーザーのもの」としています。ただし、実務で問題になるのはその先です。

プランや売上規模による条件

Midjourneyは、年商100万米ドルを超える企業とその従業員は、Pro・Megaプランでなければ作成したアセットを所有できないと定めています。Stability AIのライセンスも、年商100万米ドルを境に無償のCommunity Licenseと有償のEnterprise Licenseが分かれます。会社の規模によって、同じ使い方でも必要な契約が変わる点に注意してください。

「出力を所有できる」と「権利侵害しない」は別の話

規約が「出力はユーザーのもの」と定めていても、それは提供会社とユーザーの間の取り決めにすぎません。出力が既存の作品に似ていれば、第三者の著作権を侵害するおそれは残ります。OpenAIの規約も、同様の出力が他のユーザーにも生じうることを明記しています。商用利用と著作権の関係は生成AIの商用利用と著作権の記事で、画像生成AIを安全性で選ぶ考え方は商用利用で安全な画像生成AIの記事で解説しています。

同じサービス内でもモデルによって条件が違う

Adobe Fireflyは、アドビ独自のモデルに加えて、他社の「パートナーモデル」も選べるようになっています。公式サイトで「商用利用に適した」と説明されているのはアドビ独自のモデルであり、パートナーモデルを使う場合の条件は別途確認が必要です。Fireflyの使い方はAdobe Fireflyの使い方の記事も参考にしてください。

入力データの学習利用とオプトアウト.

クライアントの資料や未公開の情報を扱う業務では、入力データが学習に使われるかどうかが最も重要な確認項目です。

  • 個人向けは「既定で学習に使う、設定で止められる」が多い:ChatGPTはオプトアウトを要求でき、Claudeはアカウント設定で選択、Geminiはアクティビティの保存をオフにすると以降のチャットは改善に使われません
  • 法人向けは「既定で学習に使わない」が多い:OpenAIはChatGPT Business・Enterprise・Edu・APIで、Anthropicは商用規約の対象サービスで、GoogleはWorkspace(公式)で、それぞれ学習に使わない旨を公式に説明しています
  • オプトアウトしても例外がある:Claudeの個人向け規約は、オプトアウトしていてもフィードバックを送った場合や安全審査の対象になった場合は学習に使うとしています。Geminiもフィードバックを送ると、その内容が改善に使われると説明しています

Claudeの個人向けプランでは、2025年8月28日の発表で、学習利用を許可した場合のデータ保存期間が5年に延びることも示されました(Anthropicの発表)。学習利用の設定は、保存期間とセットで確認してください。

取引先の秘密情報を入力する場合は、規約の確認に加えて、秘密保持契約との関係も整理が必要です。詳しくは生成AIと秘密保持契約(NDA)の記事で解説しています。

補足

学習利用の設定は、社員一人ひとりのアカウント単位で変わることが多く、全員が正しく設定しているかを会社が把握するのは困難です。業務で機密情報を扱うなら、個人向けプランの設定に頼るのではなく、既定で学習に使わない法人向けプランに切り替えるほうが管理しやすくなります。

禁止用途・年齢・地域.

禁止用途:AI生成を「人が作った」と偽らない

各社とも、他者の権利侵害やなりすましなどを禁じています。広告・制作の実務で特に押さえたいのは、AIで作ったものを人が作ったものとして見せることを禁じる規定です。OpenAIの規約は、人が作り出したものではないアウトプットを人が作り出したものと表示することを禁止事項に挙げ、Google利用規約も、生成AIのコンテンツを人間が作成したものであると誤解させる行為を禁じています。AIタレントやAI生成の広告素材の表示の考え方はAIタレント広告とステマ規制の記事で整理しています。

また、出力を使って競合するAIモデルを開発することも、OpenAI、Anthropic、Googleの規約で禁じられています。生成した文章や画像を、自社のAIの学習データにする計画がある場合は注意が必要です。Adobeのガイドラインは、第三者の著作物や商標を生成するよう設計したプロンプトの入力や、第三者の著作物を含む参照画像のアップロードを禁止の対象に挙げています。

年齢:サービスによって13歳以上〜18歳以上

OpenAIは13歳以上(18歳未満は保護者の許可が必要)、Anthropicの個人向けは18歳以上としています。Midjourneyの年齢要件は、本記事では公式ページで確認しきれなかったため要確認です。Googleは、Googleアカウントの年齢要件に加えてサービスごとの追加要件があるとしています。学生アルバイトやインターンにアカウントを渡す場合は、年齢要件を満たしているか確認してください。

地域:提供国の範囲を確認する

Anthropicは提供している国・地域に関するポリシーを規約の一部としており、OpenAIは制裁や輸出管理に関する法令の遵守を求めています。海外拠点や海外の委託先と共有する場合は、相手の国・地域で利用できるかも確認しておきます。

補償・免責と規約変更|「何かあったとき」の条項.

責任の上限は小さく、利用者側の補償義務がある

個人向けの規約では、提供会社の責任に上限が設けられているのが一般的です。たとえばOpenAIは、請求の原因となったサービスについて過去12か月に支払った金額か100米ドルの大きいほう、Anthropicの個人向けは過去6か月に支払った金額か100米ドルの大きいほうを上限としています。反対に、利用者が規約違反などで第三者から請求を受けた場合は、利用者が提供会社を補償するという規定が、OpenAI(企業・組織の場合)、Anthropic、Google(ビジネスユーザー・組織の場合)、Midjourneyの規約に置かれています。

IP補償は主に法人向け

IP補償とは、出力について第三者から知的財産権の侵害を主張されたとき、提供会社が防御や賠償を引き受ける契約上の仕組みです。たとえばAnthropicの商用規約は、有償での利用やその出力が第三者の知的財産権を侵害するという請求から顧客を防御すると定めています。ほかのサービスの法人向けの補償条件は、本記事では確認しきれなかったため、契約前に各社の法人向け規約で確認してください。

規約変更:通知の有無と「継続利用で同意」

OpenAIは、利用者に重大で不利な影響を及ぼす変更について少なくとも30日前に通知するとしています。Googleは、重大な変更の際は合理的な事前の通知を行うとしています。Anthropicの個人向け規約は、改定後も利用を続けると改定に同意したことになると定め、Midjourneyは料金や機能を含むサービスの内容をいつでも変更できるとしています。

主要サービスでは2025〜2026年にも規約の改定・発効が続いている
主要サービスでは2025〜2026年にも規約の改定・発効が続いている

規約は改定されるため、「いつ、どの版を確認したか」を記録しておかないと、後から説明できなくなります。社内のツール一覧に、確認したURLと確認日、プラン名、学習利用の設定を残しておくと、監査や取引先からの問い合わせにも答えやすくなります。社内ルールへの組み込み方は社内ガイドラインの作り方の記事で、委託先にツールの条件を守らせる契約の書き方は業務委託契約書の記事で解説しています。

ツール導入前の規約確認チェックリスト

Checklist
  • 使う予定のプラン(個人向けか法人向けか)を決めてから規約を読んだ
  • そのプランで商用利用が認められ、売上規模などの条件を満たしている
  • 出力の権利がユーザーに帰属するか、提供会社が利用権を持つかを確認した
  • 入力データの学習利用の有無と、オプトアウトの方法・例外を確認した
  • 利用ポリシー・ガイドラインの禁止用途を確認し、社内に共有した
  • 利用者の年齢要件と、利用する国・地域で提供されていることを確認した
  • 責任の上限、利用者側の補償義務、IP補償の有無を確認した
  • 確認した規約のURL・版・確認日を社内のツール一覧に記録した

よくある質問.

Q無料プランで作った画像を広告に使っても大丈夫ですか?
Aサービスと会社の規模によります。たとえばMidjourneyは年商100万米ドルを超える企業にPro・Megaプランを求めており、Stability AIのライセンスも売上規模で条件が分かれます。使う前に、そのプランでの商用利用の条件を公式の最新版で確認してください。
Q規約が英語しかない場合、日本語訳を読めば十分ですか?
A参考にはなりますが、正本がどちらかを確認してください。規約によっては英語版が優先すると定めていたり、日本語の公式版がなかったりします。重要な判断をする場合は、正本の該当箇所を確認するのが確実です。
Q個人アカウントで学習利用をオフにしていれば、業務に使ってもよいですか?
A学習利用をオフにしても、フィードバックを送った場合などの例外が残ることがあります。また、社員ごとの設定を会社が管理するのは困難です。機密情報を扱う業務では、既定で学習に使わない法人向けプランを会社として契約するほうが安全です。
Q規約が変わったことに気づかずに使い続けた場合、どうなりますか?
A多くの規約は、改定後も利用を続けると改定に同意したものとみなすと定めています。知らないうちに条件が変わっていることがあるため、主要なツールは半年に一度など定期的に規約を確認し、確認日を記録しておくと安心です。
Q委託先が使っているAIツールの規約も、発注側が確認する必要がありますか?
Aツールの規約は委託先と提供会社の間の契約ですが、成果物の商用利用の可否や学習利用の扱いは発注側にも影響します。委託契約で、使用ツールの申告と、商用利用可・学習利用なしといった条件を定めておくのが確実です。

まとめ|「どのプランで何に使うか」から読む.

  • 規約は商用利用・出力の権利・学習利用・禁止用途・年齢地域・補償免責・規約変更の7項目から読む
  • 多くのサービスで出力はユーザーのものだが、売上規模やプラン、モデルによる条件がある
  • 入力データは個人向けは既定で学習あり・法人向けは既定で学習なしが多い。オプトアウトの例外も確認する
  • AI生成を人の作品と偽ることや、出力で競合モデルを作ることを禁じる規約が多い
  • 責任上限は小さく、利用者側の補償義務がある。規約の版と確認日を記録しておく

参考にした一次情報:OpenAI 利用規約 / OpenAI エンタープライズプライバシー / Anthropic Consumer Terms of Service / Anthropic Commercial Terms of Service / Google 利用規約 / Gemini アプリのプライバシーハブ / Midjourney Terms of Service / Adobe 生成AIユーザーガイドライン / Adobe Firefly 製品ページ / Adobe Firefly 法人向けFAQ(2024年6月版) / Stability AI License

※ 本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の案件については弁護士等の専門家にご確認ください。記載は2026年10月時点の情報です。

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